寒いと圧力が下がる理由
気体は冷えると縮み、温まると膨らむ。タイヤの中の空気も同じで、気温が下がると圧力は下がる方向に動く。ブリヂストンの二輪車タイヤQ&Aは、走行でタイヤが熱を持つと内部の空気が膨張し、内圧が高く測れる、と説明している。寒い季節に下がるのは、この逆である。
何度下がると何kPa、という率は、その回答には書いていない。ここでは率を足さない。冬に入ったあと、夏に合わせた値のままにしない、で足りる。出す前にゲージで測る。
冷えているときに合わせる
車両が指定している空気圧は、タイヤが冷えているときの値だとブリヂストンは書いている。走行直後は温度が上がっているので、正しく測れない。止まってから少なくとも2〜3時間。放置時間は気温で違う、とも書いている。
ミシュランは、冷間を「走行後少なくとも2時間。走り出した場合は低速で距離3km以内」とし、2週間おきの点検を勧めている。どのような場合でも車両メーカーの指定空気圧に従う、とも書いている。窒素を入れていても、定期的な点検は必要だと同じページにある。
IRCは、走行前の冷えているときに車両指定空気圧へ調節する、と書いている。空気圧は自然に低下するので、乗車前に指定以下になっていないかを見る、とも書いている。過不足はタイヤの損傷や事故につながり得ると、同じ注意書きにある。
測り方は、バルブキャップを外し、エアゲージを当て、指定値に合わせ、キャップを戻す。ミシュランは点検後にバルブキャップを取り付ける、と書いている。前後と、一人乗り・二人乗りの数字を取り違えない。側面に刻んである最高空気圧は、そのタイヤが耐えられる上限の表示であって、そのバイクに入れる指定値ではない。
止まっていても抜ける
ブリヂストンは、空気の分子はゴムの隙間からも抜け、完全に漏れないタイヤは作れない、と書いている。モーターサイクル用タイヤは、車両が静止していても1か月に10〜20kPa程度、内圧が下がる可能性がある。別の回答で、最低1か月に1回の内圧チェックを推奨している。
冬は、この自然な低下に、気温低下による圧力の下がりが重なる。秋に合わせてから一度も測っていないなら、最初の寒い朝の前に測る。保管から出す前も同じ。冬の保管で空気を入れておいても、春までの月数ぶんは抜け得る。
ブリヂストンは、公道では車両指定の空気圧を守る、低すぎるとタイヤ故障につながり得ると書いている。ハンドリングの好みで指定より低くしない。
点検のチェック
- 前輪・後輪、一人と二人の指定値を、車体の表示か取説の仕様表で見た
- タイヤは冷えている。走行直後ではない
- ゲージで測り、指定値に合わせ、バルブキャップを戻した
- 亀裂、釘や金属片、溝に噛んだ石を見た。IRCは異物を取り除くと書いている
- 前回から1か月近く空いているなら、気温が同じでも測り直す
寒い朝に出すなら、昨日の夕方に温かい状態で測った値を、今日の指定値だと思わない。冬に走るときの路面の判断は別ページ。
よくある失敗
- 走った直後の高い数値を見て、空気を抜く。冷えると指定より低くなる。ブリヂストンが止めている測り方である。
- タイヤ側面の最大空気圧を、そのバイクの指定値だと思う。
- 前輪の数字を後輪にも入れる。仕様表では前後が分かれている車がある。
- 夏に入れてから冬まで見ない。静止していても月に10〜20kPa下がる可能性を、ブリヂストンが書いている。
- 窒素を入れたので、もう測らなくてよいと思う。ミシュランは窒素でも点検が必要と書いている。
参照した資料
2026年10月9日に照合した。kPaの下がり幅はブリヂストンの二輪Q&Aの文言で、このページが測った値ではない。