この記事でわかること
- 淡水で子エビが増えるミナミと、幼生に塩分が要るヤマト
- ヤマトの幼生が塩分17〜34pptで稚エビまで育った研究
- 導入当日と水換え直後に死ぬときの切り分け
- 魚病薬と、野外へ放さないこと
増やすならミナミ、コケを食べさせるならヤマト、と用途が違います。
店頭のミナミヌマエビは、淡水水槽で抱卵し、子エビの形で育つ個体として売られていることが多いです。ヤマトヌマエビは両側回遊で、幼生が海や汽水域で育ちます。 甲殻類の研究 (外部サイト) では、ヤマトヌマエビの幼生が稚エビまで脱皮した条件に、塩分17〜34pptが含まれています。淡水だけでヤマトの世代を回す計画にはしません。
| 見ること | ミナミヌマエビ | ヤマトヌマエビ |
|---|---|---|
| 増え方 | 淡水のまま子エビが育つ個体として流通 | 幼生期に塩分が要る。淡水では数が増えにくい |
| 体 | 小さい。稚エビはさらに小さい | ミナミより大きい個体が多い |
| 使い方 | 数の変化を見る。隠れ場所が要る | コケを食べる個体として入れ、補充は購入 |
| 吸水口 | 稚エビが吸われやすい | 成体でも隙間には入る |
体長は個体差と、店頭での種の混同があるため、ここでは何cmとは書きません。並んでいる個体を見るなら、ヤマトの方が歩脚も体も太いことが多いです。
水流、水合わせ、水草の農薬を先に潰します。
- 水道水はカルキを抜く。温度差を残したまま開けない
- 袋の水を少しずつ混ぜ、短時間で水槽へひっくり返さない
- フィルターの吸水口にスポンジを付ける。稚エビは隙間から入る
- 新しい水草は、農薬が残っていないかを販売店に聞く
- 魚と一緒にするなら、子エビを食べる口の大きさかを見る
小型水槽の機材の役割は エビ中心の構成例 にあります。水流の調整は フィルター 、通常の換水量は 水換え です。エビ水槽では、その「約1/3」をさらに一度に入れず、温度を揃えてから静かに足します。
エビが死んだら、病名より先に直前の作業を見ます。
- 01
死んだのが導入の当日か、水換えのあとなかを分ける
当日なら水合わせの短さと、袋の水と水槽の差を疑います。水換えの直後なら、換水量、カルキ、温度差を見ます。
- 02
同じ日に複数か、1匹だけかを数える
複数が同時なら、水質の急変を先に見ます。1匹だけなら脱皮の失敗や個体差もあり、病名にはしません。
- 03
直前に入れた薬と水草を思い出す
魚病薬の対象にエビが無い、農薬が残った水草を入れた、は落ちるきっかけになります。
- 04
吸水口と死骸の位置を見る
フィルターに吸い込まれていないか、死骸が残って水を汚していないかを確認し、死骸は取り出します。
- 05
生き残っている個体へ、追加の水換えを重ねない
急変の直後に、さらに全換水すると条件がもう一度動きます。
| タイミング | 先に疑う条件 | 重ねないこと |
|---|---|---|
| 入れた当日 | 水合わせが短い、温度差、袋の水 | その日にさらに足す |
| 水換えのあと | 換水量、カルキ、注水の勢い | 立て続けの全換水 |
| 薬や水草のあと | 薬の対象外、農薬 | 別の薬を追加する |
| 脱皮の前後 | 水質が動いたあとの脱皮失敗 | 殻だけを死骸と数える |
白い抜け殻は、死骸ではありません。中身が残っていなければ脱皮です。魚が同じ日に死んでいるなら、 魚が死んだときの確認 もあわせます。水槽全体の水質なら 水換えと水質 です。
増えすぎても、野外と排水口へ出しません。
ミナミが増えたとき、川や池、庭のビオトープへ移す選択は取りません。 環境省 (外部サイト) は、飼っている魚を放流しないよう案内しています。エビや水草も同じです。店頭の「ミナミ」には外来のカワリヌマエビ類が混ざることがあります。 外来生物法 (外部サイト) の対象かどうかは、種が特定できる資料で確認します。
水流を弱くするなら、
フィルターの方式から見ます。
吸水口の隙間と流量は、エビのサイズで選び直します。
よくある質問
ミナミヌマエビとヤマトヌマエビは、同じ水槽で増やせますか?
増やし方が違います。店頭のミナミヌマエビは淡水のまま抱卵し、子エビが育つ個体として扱われています。ヤマトヌマエビの幼生は、研究では塩分17〜34pptの条件で稚エビまで脱皮しています。家庭の淡水水槽でヤマトの数を増やす前提にはしません。
エビが水換えのあとに死ぬのはなぜですか?
一度に大量の水を換えたり、カルキが残った水や温度差のある水を入れたりすると、落ちることがあります。原因は水質の急変、薬、農薬の残った水草など複数あるため、死んだ時刻と直前の作業から切り分けます。
魚病薬をエビ水槽に入れてもよいですか?
表示にエビが含まれていなければ入れません。魚向けの薬には、エビや貝を対象外とするものがあります。使う前に、その製品の対象生物を読みます。