塊のまま残し、霜に崩させる
水はけを良くするには深く耕し、下の硬い層を壊す、とJAあつぎは書いています。寒起こしはその一部で、厳寒期の1〜2月、20〜30cmを粗く掘ります。土の中の水が夜に凍り、昼に溶けて乾く。この繰り返しで塊が崩れる、としています。土の中の害虫が寒さで死ぬ効果も期待できる、とも書かれています。期待、なので、掘っただけで虫がいなくなる保証にはしていません。
細かく叩いてから冬に置くと、凍結で割れる塊が残りません。スコップで起こした塊は、そのまま寒気に出します。
この記事の基準は関東南部以西の平坦地です。積雪で畝に入れない寒冷地の月は、引用した文面にありません。夜に土が凍らない暖地では、「凍結と融解で崩れる」という説明の条件が揃いません。掘る深さの数字は残っても、ふかふかになる理由を凍上だけにはできません。
植わっている株の下は、冬に返さない
空いた畝と、今の株が根を張っている畝は別です。中間地の11月は、玉ねぎの苗、そら豆とえんどうの種がこの表に入っています。にんにくは9〜10月に植え、寒地系を温暖地で植える場合だけ11月中旬までがFAQの範囲です。これらの場所を20〜30cm掘ると、植えたばかりの根を切ります。
夏野菜を片付けたあとの空きだけを起こします。どこが空かは、11月の作業で苗と種を終えてから見ます。
混ぜる有機物の名前は、落ち葉の山とは限らない
JAあつぎは、寒起こしや天地返しに合わせてバーク堆肥、家畜ふん堆肥などの有機物を混入する、としています。落ち葉をその冬に積んだ山を、同じ日に畝へ入れる、とは書いていません。
全農のApronは、堆肥を種まきや植え付けの2週間以上前に入れ、地温が低い時期は間隔を長めにする、としています。大根やかぶは、できれば1カ月以上前です。未分解のまま根に触れると肌荒れが出ることがある、と書いています。葉の形が残る落ち葉の扱いは腐葉土の作り方です。
石灰は測ってから。窒素の多い堆肥とは同日にしない
JA埼玉中央は、野菜の多くが弱酸性のpH6.0〜6.5で、じゃがいもやスイカはpH5.0〜5.5、ほうれん草と玉ねぎは酸性に弱い、としています。pHを1上げる粒状苦土石灰の一般的な量は、1平方メートル当たり150〜200gです。土壌の種類で量が変わる、とも書いています。測らずにこのグラムを全畝へ足す使い方は、その文面の外です。
石灰と、窒素肥料や窒素の多い堆肥を一緒に入れると、アンモニアガスが出て窒素が逃げます。種まきや植え付けの2週間前に石灰を混ぜ、1週間前に化成肥料と堆肥を入れる、という順番です。全農は堆肥も石灰も2週間以上前、とまとめて書いています。同時に入れるな、というJA埼玉中央の注意を先に取り、間隔は地温が低い冬ほど長く見ます。
培養土は製品で酸度が調整されているものがあります。庭のグラムを、袋の土へそのまま足しません。測り方は石灰と酸度です。
天地返しは、表面30cmとその下を入れ替える
JAあつぎの天地返しは、表面から30cmほどの土と、その下60cmほどまでの土を入れ替える方法です。トラクターのロータリーでできた耕盤を崩す、上層に増えた病原菌やセンチュウを動かす、という説明です。きつい仕事なので作業の少ない冬に、とも書いています。
家庭菜園の空いた一畝で、毎回60cmまで返す必要はこの文面にありません。先にやるのは、空いた場所の20〜30cmの粗起こしです。
よくある質問
11月の空いた畝を、今すぐ20cm掘りますか?
JAあつぎが書いている寒起こしは、厳寒期の1〜2月です。11月は落ち葉を集め、野菜が残っている畝と空いた畝を分ける月です。植えてあるにんにく、玉ねぎ、えんどう、そら豆の場所は掘りません。
石灰と堆肥は、掘った日に一緒に混ぜますか?
JA埼玉中央は、石灰と、窒素肥料や窒素の多い堆肥を同時に入れるとアンモニアが出て窒素が逃げる、として同時には与えない、と書いています。石灰は種まきの2週間前、化成肥料と堆肥は1週間前、という順番です。